「東京五輪2020」の開会式が23日、東京・国立競技場で行われ、大会が進んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの競技が無観客に。丹波地域でも、運よくチケットが手に入り、会場で選手の活躍に声援を送ったり、ボランティアとして来場者と交流したりすることを楽しみにしていた人も多いが、思い描いたような五輪にはならなかった。
ソフトボールを観戦予定だった丹波篠山市の会社経営40代男性は、コロナの現状から無観客試合の決定にはさほどショックを受けなかったが、21日に豪州を相手に完勝した日本チームをテレビ観戦し、「やっぱり現地で応援したかったという思いが湧き上がった。人生、最初で最後の“生五輪”を見たかった」と、もやもやする心境を話した。
ホッケーを娘と観戦予定だった同市内の40代女性は、娘も覚悟ができていたのか、観戦に行けないことを知ったときも素っ気ない反応だったという。「テレビで見ていてもあまり盛り上がりを感じない。けれど、今の状況を考えれば無観客はベストな判断ではないか」と複雑な様子。
丹波市山南町の70代男性は、学んだ英会話を生かし、来日する観光客を案内する都市ボランティアの参加を断念した。「海外からの観光客が来られなくなり、観光案内をしたり、もてなしたりする目的が達成できない。東京に出掛けることにも抵抗がある」とし、現在の心境を「興ざめで、五輪に興味が持てないでいる」と話した。