兵庫県丹波篠山市の武家屋敷安間家史料館で「七夕の節句」にちなんだ展示が開かれている。七夕の原型ともされる「五色の糸」を飾る展示もあり、古式ゆかしい空間が広がっている。
五色の糸を飾るのは、中国から伝わった「乞巧奠(きっこうでん)」と呼ばれる星祭り。糸を飾って星に祈ると、3年の間に願いが叶うとされるもので、▽青=「徳を積む」▽赤=「父母や祖先への感謝」▽黄=「信頼」▽白=「義理や決まりを守る」▽黒=「学業の向上」―の意味があり、平安時代に行われるようになったという。
織姫と彦星や日本古来の「棚機(たなばた)」など、さまざまな行事や伝説が組み合わさって、現在の七夕が成り立っていることも紹介している。
同施設は、「おうち時間が増えているので、家でも糸を使って普段と違う七夕を楽しんでもらえたら」と話している。11日まで。