兵庫県丹波篠山市の大山地区10集落でつくる、国の多面的機能支払交付金の活用組織「大山地区農・水・環の会」が、ラジコン草刈り機を導入した。6月27日、同地区の池尻池で実演研修会を開き、会員が利用できるようにした。当分はラジコンの操作に慣れている本部役員が会員の依頼を受けた土地で操作する。今後は各集落2人ずつ作業員を決める。篠山土地改良事務所によると、丹波地域の活動組織でラジコン草刈り機の導入は初。
同事務所によると、大山地区農・水・環の会は丹波地域の中でも集落数が多く、面積でも上位3番目に入るという。ラジコン草刈り機は同交付金を活用し、約360万円で購入。管理規定を作成し、利用時の注意点などを定めた。
アテックス社(本社・愛媛県)の製品で、全長約1・5メートル、重量は360キロ。刈り幅は約70センチで、最大45度の斜度に対応。反当たり約30分で刈れる。刈る高さの調整も可能。作業員が持つ操作パネルで最大175メートル離れた所から操作できる。
研修会では10集落の約40人が参加。同社の中部営業所(岐阜県)の社員が実演し、斜面と平行に動かすことや、石が多い場所は刈刃を少し浮かして動かすなどのこつを説明した。その後、参加者が実際に操作パネルのレバーを動かし、草刈り機を前後左右に動かすなどした。池の斜面に生えた高さ1メートルほどの雑草がどんどん刈られる様子を見て、参加者は「すごい」「早い」と驚いていた。
草刈り機を操作した女性(33)は「ゲーム感覚で操作でき簡単。意外と幅広く刈れるので、作業が早く終われそう」と感心していた。