兵庫県丹波篠山市山内町で24日に発生した大規模火災により、生活基盤を失った人々のためにと、支援物資や義援金の受け付けがスタートしており、さっそく多くの市民が寄付に駆け付けている。また、市内の団体が布団や照明などを寄付したり、食堂が夜食用弁当を被災者に配布したりと、各方面から支援が寄せられている。同じまちで暮らす人々が焼け出された過去に例のない大火。「けが人がなくてよかったけれど、被災した人の苦労を考えると」と涙を浮かべる人もあり、「とにかく一日も早く元の生活に戻れるように」との思いを込めた物資や義援金が集まっている。
義援金や支援物資は、8月6日まで市役所で受け付けている。時間は午前9時―午後4時。当初求めていた衣類などの物資は一日で必要数に達した。家電製品は物に応じて受け付ける。
タオルなどを寄付した女性(70)は、「現場にあったお店には買い物に行ったし、医院にお世話になっていたこともある」と言い、「健康に気を付けて過ごしてほしい。私たちもできることをしたい」と話していた。
火災発生現場のすぐ近くで生まれ育ち、今も倉庫がある男性(72)は、オーブントースターや食器を持ち込んだ。「みんなよく知っている人ばかり。何かしたいけれど、どうしたらいいか分からない」と涙し、「今は引っ越している知人からも心配する電話がかかってきた。みんなが被災した人たちのことを思っていることを知ってほしい」と声を震わせた。
義援金などを寄付した男性(48)は、「自分だったらと思うと、何かせずにはいられなかった」と言い、「一日も早く元の状態になることを願っています」と話した。
地元山内町の倉橋久志自治会長(65)は、「被災した人は全財産を失っており、非常につらい」と言い、「自治会内では家に眠っている不要な日常品の寄付を呼び掛けたり、まだ先になるが、手作業で掃除をする際の協力を求めたりしている」と話す。また、「同じ山内町の住民から、『手伝えることがあったら言って』と声をかけてもらっている。今こそ助け合って、住民のみんなが団結していい方向になればと思う」と語った。
振り込みによる義援金は、丹波篠山市義援金口座(三井住友銀行篠山支店・普通4001856)へ。家電などの物資は事前に市長寿福祉課へ。