びっ栗!世界最大モンブランを 丹波栗で1000個製作へ 高校生発案「まちを有名に」

2021.07.17
地域

世界一大きなモンブラン作りに乗り出した高校生たち=2021年7月11日午後5時6分、兵庫県丹波市氷上町本郷で

朝廷や幕府に献上されるなど、古くから兵庫県丹波地域の風土が育んだ農産物として全国的な知名度がある同県丹波市の特産丹波栗を使い、同市内の3県立高校の生徒有志が、「世界一大きいモンブランをつくる」合同プロジェクトを立ち上げた。500人でケーキを作る市民参加型イベントにする。高校生が教室を飛び出し「丹波市をもっと有名に」と、社会活動に動き出した。

「集まれ!スイーツ好き 世界一のモンブランをつくろう」プロジェクト。「日本一の丹波栗で世界の頂へ」がキャッチフレーズ。

イベント開催日は、12月19日を軸に検討中。1個の巨大モンブランを作るのではなく、一般的な市販サイズのモンブランを1000個作り、らせん状の棚などに立体的に並べ、世界最大のモンブランの塊を作る。

市内の公共施設の調理場をいくつも借り、同じ日の同じ時間帯に同じレシピでケーキを作り、出来上がりを、ある場所に持ち寄る。展示したモンブランは食べ、フードロスは出さない。

生産者でつくる丹波栗振興会に話を通し、材料供給への協力を得ている。栗の購入費などに必要な資金は、助成金とスポンサーからの協賛金、市民からの募金、イベントの参加費で調達する予定。生徒が動きやすい夏休み期間中に、資金工面に奔走する。調理場所、展示場所、参加費やイベント参加者の募集方法は調整中。

発案者は、昨年の氷上西高校の3年生。「地域ビジネス」の授業で実現を目指したが、動き出した時期が収穫の後で、丹波栗が調達ができないなどの壁に当たり、後輩に託した。

夢のある企画を1校でなく、合同で取り組めないかと考えた3高校の教師が連絡を取り合い、生徒に打診したところ、氷上西高はまちづくり部、氷上高はインターアクト部、柏原高は2年生の知探コースの有志がそれぞれ中心になり、実現を目指すことになった。

高校の垣根を越えた人間関係を築くのも目的で、3校の生徒が交ざるように▽統括▽お金▽材料調達・レシピ▽感染対策・衛生▽広報―の5グループを編成。SNS(交流サイト)やオンラインで話し合いを続けてきた。4月24日の初顔合わせ以来の対面の全体会議を開き、各グループの使命を再確認し、進捗を報告、夏休みに動くための下準備を話し合った。

統括リーダーの1人、谷垣香澄さん(柏原高校2年)は、「1年生の時に授業で研究した丹波栗を広めたくて参加した。私たち高校生が主体になったプロジェクトで楽しみ。丹波市民みんなで、世界一に挑戦ができる」と目を輝かす。もう1人の統括リーダーの酒井歩君(氷上高校3年)は、「できるだけみんなが行動しやすいように、前もって準備をしている。メンバーみんなで募金や協賛のお願いに回るのが楽しみ」と声を弾ませる。

材料調達班の稲川詩音さん(氷上西高校2年)は、「数が多く、1個のサイズによって必要な材料の量が大きく変わるので、早くレシピを固めたい」と言い、「他校の子との交流を通してコミュニケーション能力を身に着けたいし、世界一のものを作ってテレビに出て、丹波市を有名にしたい」とあふれる思いを語った。

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