”魅惑”の生態に迫る 芋虫・毛虫テーマに特別展 「嫌われ者のイメージ変わるかも」

2021.07.26
地域自然

凍結乾燥でこしらえた芋虫・毛虫の標本などが並べられた特別展会場=2021年7月22日午前10時52分、兵庫県丹波市氷上町石生で

兵庫県丹波市氷上町の氷上回廊水分れフィールドミュージアムで夏季特別展「魅惑のいもむし・けむし展」が開かれている。芋虫・毛虫の体のつくりや、天敵から身を守るための擬態や毒など、生き残り戦略をテーマごとにパネルで紹介。幼虫、さなぎ、成虫へと変化していくようすを写した写真や約300点の標本で、芋虫・毛虫の不思議と魅力に迫っている。3種類の芋虫をモチーフにしたベンチを設置し、記念写真が撮れるブースも用意している。8月29日まで。

同展では、チョウやガの芋虫・毛虫を紹介。会場にはパネルと幼虫・成虫の標本がずらりと並んでいる。

パネルでは、芋虫の語源を「もともとはサトイモやサツマイモの葉につくスズメガ科の幼虫のことを『いもむし』と呼び、そこから毛の少ない幼虫のことを指すようになった」と解説。芋虫・毛虫を狙う鳥や寄生バチなどの天敵の話のほか、葉を食べる種が圧倒的に多い中で、キノコを食べるムラサキアツバや、クヌギの樹皮をかじることで樹液を出させ、樹液を吸いに来た昆虫を捕食するボクトウガがいることなど、多様な生態を紹介して興味を誘っている。

また、ウスタビガの幼虫が威嚇のために気門から「キューッ」と音を発しているようすを動画上映しているほか、凍結乾燥(フリーズドライ)や樹脂含浸法(プラスティネーション)でこしらえた芋虫・毛虫の標本約140種を展示。クヌギカレハやアオスジアゲハなど5種類の幼虫の生体展示も行っている。

記念写真ブースに設置された芋虫ベンチ

同ミュージアムは、「普段はあまり目にすることがなく、どちらかというと嫌われ者の芋虫、毛虫。そのイメージが変わるような面白い展示になっている」と来館を呼び掛けている。

以前、箕面公園昆虫館、伊丹市昆虫館が合同で開催し、好評だったため、両昆虫館の協力を得て開催することにした。

8月11日には特別イベント「丹波の昆虫採集と昆虫のおはなし」を開催。講師の昆虫専門家と一緒に昆虫採集を行い、捕まえた昆虫の生態や特徴などを解説してもらう。午前10時―正午。定員先着20人。参加費1人500円。

入館料大人210円、子ども100円。

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