世界的アーティストのニキ・ローレケさん(37)がこのほど、兵庫県丹波篠山市立篠山中学校2年生の美術の授業で講話し、「仕事をするのと同じくらいまじめに遊ぶことも大切」などと、人生観を語った。
ニキさんはドイツ人の父と日本人の母の間に生まれ、東京、ロンドン、ニューヨークでの生活を経て、ワシントン州にある小さな島で自給自足の生活を体験。アートを通した環境保全の取り組みなどもしている。また、資生堂の商品パッケージをデザインしたり、世界的に活躍する女性アーティストによるアシックスのシューズのデザインを手掛けたりした。
授業では、ロンドンの有名芸術大学、セント・マーティンズ・カレッジの入試で自作の作品集が下手で笑われ、「見返してやろう」と毎日懸命に描き続け、翌年の入試で合格した思い出を語ったほか、ニューヨークで好きなデザイナーのアシスタントになりたいと、自作の作品集を見せると反応はよくなかったが、「見せるのが恥ずかしい」と思っていた、普段描いているスケッチブックを見せたら採用が決まったと言い、「楽しく自分なりにやったらいいんだと気づいた」と話した。
また、仕事がないときに、一緒に働きたい人に手書きのポストカードを数百枚送ったら雑誌の仕事が入った、といったエピソードを紹介。小さな島でのキャンプ生活や、インド、ジャングルでの活動についても話した。
女子生徒は「好きなことをやるためにいろんなところに行かれてすごいなと思った」と話した。
母の友人が丹波篠山でカフェを開いている縁はあったが、「たまたま丹波篠山に来た」というニキさん。昨年12月からと、今年6月からの3カ月間、同市知足で借り住まいしたところ、「日本の田舎らしい風景が好き」と気に入り、知足から近い丸山の古民家を改装して移住を検討しているという。
インスタグラムで情報発信している。