「元気にしているよ」 山中のニワトリ、他市へ 車に飛び乗り保護

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丹波市で保護され、綾部市で暮らすニワトリ。烏骨鶏とも仲良しに=京都府綾部市で(綾部ふれあい牧場提供)

元気やで―。8月中ごろ、兵庫県丹波市市島町の戸平トンネル付近に突然、鮮やかな羽を持つニワトリが現れ、地域の話題になった。住民が代わる代わる様子を見守っていたが、ある日を境に行方不明に。「獣に食べられたかも」と心配の声が上がっていたが、現在は京都府綾部市の「綾部ふれあい牧場」で保護されていることが分かった。付近を通行していた同市の企業の車両に飛び乗り、そのまま同市へ。市をまたいだ優しさを受け、新たな生活を始めている。

8月20日の目撃を最後に、丹波市から姿を消していたが、ニワトリが綾部市に移ったのは、その20日のようだ。同市の企業の従業員男性(61)が丹波市での仕事を終えて同トンネルに差し掛かる直前、ニワトリが車道にいたという。「こんなところにおったらひかれるで」―。

車から降り、道の際に追いやろうとすると、ニワトリは開けっ放しにしていた運転席のドアから乗車。「困ったなあ」と、男性はトンネルそばの駐車場に車を入れ、窓を全開にして外に出そうとしたが、そのまま車に居座った。

男性は急いでおり、ニワトリを乗せたまま同社に向かった。「誰かに相談しようかとも考えたが、近くに民家もなく、どうすることもできなかった。獣に食べられるのもかわいそうだった」と話す。数十キロの旅の途中、走行中はおとなしく後部座席に座り、信号待ちでは羽をばたつかせた。「車に乗りなれている気がした」

会社に戻ると、他の従業員が目を丸くしてニワトリをのぞき込んだ。会社で飼うことはできず、すぐ近くの同牧場に相談したところ、仕切りがある烏骨鶏の屋根付き小屋で保護することになった。現在は、烏骨鶏の餌を食べて、元気に暮らしている。

丹波新聞社がインターネット配信したニワトリのニュースを読み、丹波市で愛されていたことを知った同牧場の男性(59)は、「うちの烏骨鶏よりなついています」と笑顔。「飼い主が現れるまで、大切に保護したい」と話している。

8月、市島町でニワトリに餌をやるなど様子を見守っていた男性2人は、「良かった。優しい人に保護されてうれしい。ふれあい牧場に行って元気な姿を見たい」と喜んでいる。

このニワトリが山中に現れた経緯は不明だが、全国的には飼いきれなくなったことなどを理由に遺棄された事例もあるという。

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