話し言葉が滑らかに出ない「きつ音」への理解を深めようと活動する、自身も当事者の越賀美穂さんがこのほど、兵庫県丹波市の中央小学校で講演した。越賀さんは、「言葉がうまく出ない人は不思議な人や怪しい人ではなく、きつ音の人かもしれないと思って。言葉を聞いてもらえると、すごく楽になる」と語り掛けた。
きつ音は、周囲の人が気付きにくく、また、気付かれないよう生活している当事者も多いと説明。越賀さんは「か」行と「た」行が出にくく、住所や名前が言いづらいとし、「一言が出ず、自分の名前を言うのに1分、2分かかる人がいる」と理解を求めた。「練習すれば治る、ゆっくり落ち着いて話せば良いと言われるが、それは全然違う。他の病気や障害と同じで、自分ではどうしようもないことを理解してほしい」と訴えた。
自身が子どもの頃にからかわれたことをつらい思い出として今も覚えているとし、「軽い気持ちで、ふざけただけでも人を傷つけることがある」と言い、きつ音の人の話し方をまねして、心を傷つけることがないようにして」と諭した。
また、きつ音がテーマの自作曲「もう1人の僕」「スピーカーの歌」の2曲を披露した。