兵庫県丹波篠山市内では7日夕、美しい夕焼けがまちを覆い、秋らしい雲が紅(あか)く染まった。
山に落ちていく夕日にレンズを向けていると、ふと「ふけゆく秋の夜」と口からメロディーが出てきた。犬童球渓が明治時代に作詞した唱歌「旅愁」だ。
ちなみに犬童はお隣の同県丹波市にあった旧制柏原中学校に音楽教師として赴任するも挫折し、一年足らずで転任。旅愁の「夢もやぶれ はるけきかなたに 心まよう」の歌詞は、このころの思いが反映されているという説もある。
犬童も見ていたかもしれない丹波の夕日は刻一刻と色を変え、すぐに夜のとばりが落ちた。