兵庫県尼崎市を拠点に活動する男子バレーボールチーム「兵庫デルフィーノ」の選手やスタッフら12人がこのほど、同県丹波篠山市の新荘地区を訪れ、地元住民と共に栗拾いや草刈りなどを行った。スポーツ選手が農業の課題解決や地域の活性化にどう向き合えるかを考え、選手のキャリアアップを目指す取り組みの第1弾。地域の先人が大切に育ててきた栗園で、若い選手たちが汗を流した。
バレーボールのトップリーグ「Vリーグ機構」のディビジョン2に属するチーム。体づくりで食に敏感なアスリートとして農産物が生産される過程を学ぶことや、高齢化と担い手不足の状況にある1次産業にスポーツ選手が貢献できることを模索する中、神戸大学などを通して丹波篠山とつながり、市の紹介で同地区と交流することになった。
受け入れたのは、地元住民でつくる「愛郷会新荘村」。選手たちは同会が管理する栗園に出向き、栗を拾い集めたほか、駐車場の草刈りや竹の伐採にも励んだ。
メンバーの澁谷杜斗さん(24)は、「想像以上に大変で、普段使わない筋肉を使っている感じ」と苦笑し、「普段から支えてもらっている地域のために、さまざまなことに取り組んでいるチームだと知ってもらえたら」とほほ笑んでいた。
同会の倉垣利明村長は、「いろんな経験をしてもらい、丹波篠山を気に入ってもらえたらうれしい」と期待。チーム事務局の井上人哉さんは、「自分たちが関わることで農業のイメージを変えたり、スポーツ選手ならではの販路を開拓したりできたら。全国を転戦しているので、各地で丹波篠山のPRもしていきたい」と話していた。