兵庫県丹波篠山市の丹南中学校に、同市の「市の鳥」に選ばれたツバメをモチーフにしたマスコットキャラクターが誕生した。来年、創立60周年を迎えるにあたり「記念に何かできないか」と、生徒会執行部が考案。ツバメが飛ぶ様子には常に向上心を持ってほしいという思いを込め、本を手にする姿は、石像でおなじみの二宮金次郎をイメージ。同市や校区の特産物も配し、校訓の「立志・琢磨・愛郷」を表現した。原画を制作した生徒会長の前田真柊さん(3年)は「丹中生の理想像です」とほほ笑み、原画のデジタル化を手掛けた美術部部長の福佐彩華さん(同)は「みんなから愛されるキャラクターになってほしい」と願っている。
青色を基調にしたツバメに同校の制服を着せ、校名と校章が入ったたすきを掛けている。松茸やクリ、黒枝豆といった特産物が入った籠を背負わせ、目は黒豆で表現。頭部には茶を載せ、校区内の味間地区が名産地であることをPRしている。「60」の形になった枝葉もくわえている。
マスコットキャラクター制作の中心メンバーは、前田さんと福佐さんのほか、同副会長の森駿真君(同)と上石真海さん(同)の4人。
前田さんは、生徒会長に立候補した際の選挙公約に「全校生で何か1つのものを作り上げる」ことを掲げていた。7月、▽校章を入れる▽色を塗る▽地域の歴史や文化など、丹南中らしさを入れる―などを条件に、全校生徒にデザインのアイデアを募集したところ、全学年から約130の案が集まった。
生徒会の3人が夏休みに話し合い、その中で特に良いと感じたアイデアを組み合わせ、色鉛筆を使って前田さんが原画を制作。さまざまな用途に使いやすいようにデジタル化しようと、福佐さんが専用の絵描きアプリを使い、10時間以上かけて完成させた。
森君は「思っていたよりすごい出来栄え」と話し、上石さんは「丹中を知ってもらうきっかけになれば」とにっこり。23日に開かれた文化祭でお披露目された。また、キャラクターに名前を付けようと、全校生から案を募る。
ツバメのほかに「市の鳥」として制定されたカワセミをモチーフにした、“相方”となるキャラクターも制作予定という。誕生したキャラクターの具体的な活用についてはこれから考えていく。