新型コロナウイルスの感染防止の観点から、2年連続で中止が決まった、上半身裸の男衆がおしくらまんじゅうのように体をぶつけ合う兵庫県丹波市の奇祭「はだか祭り」がこのほど、地元敬老会の出し物として、一部再現された。「若い衆」3人が、「ひと肌脱ぎ」、裸で体をぶつけ合い、76歳ー97歳の参加者12人を楽しませた。
「はだか祭り」は、熊野神社(同市青垣町)の秋の例祭(11月3日)の神事。無病息災を願い、例年40人ほどの男衆が参加する。コロナ前は、写真愛好家の格好の被写体で、氏子以外にも見物客が遠方から訪れていた。
同神社で健康長寿の祈とうを受けた高齢者を驚かせようと、地元の足立哲さん(48)、藤川和彦(44)さん、足立英介さん(38)の3人が、「はだか祭り保存会」から半パン、足袋、さらしの白装束を借り、「エイサ」「オイサ」の掛け声と共に、「裸奉納」を再現。体を張った出し物に、参加者は喜び、喝采で讃えた。
企画した足立さんは、「熊野神社にお参りするので、裸奉納を見てもらい、無病息災を祈願しようと思った。本式の作法でないので、罰が当たらないか、神職に相談の上、奉納させてもらった。サプライズのプレゼント」と笑っていた。
2年前まで裸衆として同まつりに参加していた男性(86)は、「年に1度のまつりがなくなり寂しく思っていた。寒いのに裸になり、組長さんがたご苦労さんでした」とねぎらった。