農家が焼き芋屋に―。丹精込めて育てたサツマイモを味わってもらおうと、「丹波わっしょい農園」の屋号で農業を営む中川清二さん(36)=兵庫県丹波市春日町多利=が毎週土・日曜、道の駅丹波おばあちゃんの里(同町七日市)で焼き芋の販売を始めた。甘みを出すため「追熟」の工程を工夫したサツマイモをその場で焼いて提供。食べ比べを楽しんでほしいと2種類のサツマイモを用意しており、「生産者の顔が分かった上で、味を楽しんでもらえたら」と話している。
カロテンを多く含む「ハロウィンスイート」、すっきりとした甘みが特徴の「シルクスイート」の2種。計2000平方メートルの畑で、農薬や化学肥料を使わずに栽培し、傷が付かないよう手で掘り出した。
収穫後は温湿度を管理した保管庫で3日間寝かせ、自宅近くの日ケ奥渓谷の水で洗って新聞紙でくるみ、米袋に入れて再び寝かせるなど、より甘みを出す追熟の工程を重視している。
ゆくゆくは加工品の製造販売を目指しており、手始めに年齢問わず好まれる焼き芋を作って販売することに。1度に30本ほどが焼ける電気式の焼き芋機を使い、中をトロトロにするため、約1時間をかけて焼いている。
販売を始めた9月末の週末には、気温が高かったにもかかわらず、2日間で200本以上を販売。注文に追いつかず、自宅までサツマイモを取りに帰るほど盛況だった。
中川さんは「お客さんの声を直接聞けるのがうれしい」と話している。
100グラム150円。年内の販売を予定している。午前9時―午後5時。