兵庫県丹波篠山市北新町の大手前南駐車場で、「丹波篠山市菊花展」が開かれている。丹波篠山伝統の「お苗菊」をはじめ、大菊や菊の盆栽など約360鉢を展示。澄み切った秋空の下で黄色や深紅、ピンクに白など、カラフルな大輪を開かせている。
”門外不出”とされるお苗菊は、旧篠山藩主の青山忠良が天保―弘化(1840年頃)に幕府から拝領し、家臣に栽培させたと伝わる純日本種の中菊。特徴は一度開いた花びらが花弁の裏を見せて巻き上がることで、その様は、「抱える」「狂い」などと呼ばれる。
戦時中、多くの品種が絶滅したが、今も21種を地元の愛育家らが大切に受け継いでいる。
観光で同市を訪れていた女性は、「初めて見たけれど、すごく特徴的。お殿様も見ていたと思うと感慨深いです」と笑顔で話していた。展示は14日まで。