より良い教育を“研究”
昨年4月、丹波篠山市教育委員会内に開設された「市教育研究所」。質の高い学校園経営の推進を基本に、学力向上や特別支援教育、幼児教育、生徒指導、ICT(情報通信技術)を活用した教育の情報化など、多岐にわたる分野でより良い教育を研究しながら、丹波篠山ならではの“学び”を深化させる。
わずかな人員で取り組んでいた学校経営への助言や教職員研修を一手に引き受けるなど、研究や研修に特化した組織。1人に1台ずつパソコンを整備することにも取り組み、コロナ禍の中にあっては各校のオンラインを活用した取り組みを支援する。行事のライブ配信や子どもたちと海外の五輪選手を結ぶなど、早速、力を発揮している。
「パソコンやネットを扱うことは、今の時代に必要なスキル。さまざまな弊害もあるが、使わずにちゅうちょするのではなく、やってみて良し悪しを見極め、良い使い方を選択する。これも子どもたちが自分を高めることにつながります」
篠山鳳鳴高校を卒業後、大阪教育大学に進学。教員だった父の影響や、学んだことを伝え、分かってもらえる楽しさに魅力を感じ、教員になった。丹波市内の小学校で長く教鞭を執ったほか、県の教育研修所で情報技術を現場に取り入れることを研究し、丹波市教委では、現在につながるICT教育の基盤を整備した。
所長として、また先生として、「自分の願いもかなえながら、人や社会の役に立つ。そのために自分に合った能力を見つけられるよう、挑戦してほしい」と子どもたちにエール。「研究所も新しい視点にたった教育をどんどん提供していきたいですね」と気合いを入れる。56歳。