紅葉狩りの観光客が連日訪れている兵庫県丹波市青垣町桧倉の「高源寺」で、丹波布技術保存会が「丹波布展―伝統を紡ぐ」を開いている。20―80歳代の技術認定者20人が22本の反物を出展している。あす14日まで。
栗、藍、コブナ草、ヤシャブシといった同布で一般的に使われる染料のほか、紅葉を表現するために日本茜を染料に使った、同布では珍しい赤色の作品もある。
技術者の1人、小笠原直子さん(豊中市)は、コブナ草と藍を掛け合わせ、緑のグラデーションで竹を表現した帯地を出展した。
訪れる人は、同布の名前を初めて耳にし、作品を目にする人がほとんど。「木綿を手で紡いで糸をつくって草木で染め織っている」との説明に、感嘆の声を上げ、格子柄の作品を見つめ、手仕事の尊さを感じていた。