農業に取り組む焼き菓子店店主 藤本理恵さん(丹波市)

2021.11.14
たんばのひと

藤本理恵さん

オーガニックで自給を

夫婦で始めて7年目の「キャリー焼菓子店」(丹波市春日町中山)は、遠方からも客が足を運ぶ人気店。素材は国産、有機、地産地消にこだわり、食品添加物や化学調味料は使っていない。

2018年に子どもが生まれたのをきっかけに農業を始めた。昨年から、知人が種を分けてくれた小麦の栽培に挑戦。自家製粉した小麦は「特別なお菓子に」と、バターサンドのサブレ生地に使っている。「自分たちで汗をかいて作り、加工し、お客さんに喜んでもらいたい」。今年は農地7反を借り、米は100%、野菜もほとんど自給するまでに。店の定休日を増やして農作業日に充てており、「土に触れるのが癒やしの時間」とほほ笑む。
農薬、化学肥料は一切使わない有機農業。「黒枝豆は半分ぐらい虫食いになってしまい、無農薬栽培で生計を立てる大変さを実感した」としつつ、「オーガニック(有機)というのは“生き方”だと思うので、私たちは使わない」と穏やかに話す。

今年3月に社会活動家の講演を聞いたのがきっかけで、「学校給食をオーガニックに変えたい」と声を上げた。共感したお母さんたちと「丹波優しい給食の会」をつくって署名を集め、12月の丹波市議会に要望書と請願を提出する準備をしている。

「丹波市は『有機の里』を掲げているけれど、有機農業がなかなか広がっていないと感じる。オーガニック給食の活動は『無謀』と言われることもあるけど、何年か後にちょっとずつでも変わったらうれしい。子どもたちの誇りや地元愛にもつながると思う」。丹波市氷上町出身、34歳。

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