兵庫県丹波篠山市郡家にある「丹波篠山市場」で11日午前9時―正午、初めての「市場まつり」が開かれる。市場に出荷している生産者らが軽トラックの荷台を使って野菜などを販売する軽トラ市の形で行う。市場の再興から3年が過ぎ、出荷者も当初の倍近くになった。「地域の市場」として歩みを進めており、「これまでの取り組みの感謝祭という位置づけ。普段利用されない人にも、市場のことを知ってもらえたら」と、来場を呼び掛けている。
同市場出荷協議会の14人が、大根や白菜、ゴボウ、山の芋、サトイモなど、新鮮な冬野菜を販売する。生産者直売のため、店で買うよりも安価で提供できるという。また、地域の商店などもサンドイッチや巻きずし、とふめし、栗おこわなどを販売し、イベントに花を添える。冬みかんも販売する。
2018年3月、地方卸売市場「篠山魚市場」が閉場したことを受け、生産者や仲買人らが再興に尽力。同じ年の10月、「丹波篠山市場」として復活し、現在は一般社団法人「丹波篠山市場」(平田俊彦代表理事)が運営している。
再開場当初、180人だった出荷者は現在、350人にまで増えた。少量の野菜や、山で採集した山菜を持ち込み、競りの様子を楽しむ人などもおり、多くの人が集うコミュニティーの場にもなっている。
そんな中、一般の人にも市場の存在と地場産野菜のおいしさを知ってもらうとともに、少しでも地域のにぎわいづくりに貢献しようと企画した。
平田代表(63)と出荷協議会長の稲川茂樹さん(74)は、「出荷者と仲買人のつながりも出来てきた。新鮮な野菜を一般の方にも楽しんでほしい」と笑顔。市場長の井関利昭さん(63)は、「初めての取り組みなので安全に開催したい。1回で終わらず、今後も開催していけたら」と話している。