兵庫県交通安全協会が主催する「児童・生徒の交通安全ポスターコンクール」で、同県丹波市立崇広小学校4年の畑絢音さんが金賞を、同市立黒井小2年の近藤奏太君が銀賞を受賞した。5日、丹波警察署で表彰伝達式があった。また、市内の運送会社が2人のポスターをもとにして作った大きなシールをトラックの車体に貼り、配送エリアでの交通安全を啓発する取り組みを3月末まで行っている。
同コンクールには県内から1万3924点の応募があった。各地区の協会から選ばれた300点を県協会が審査。最優秀、金、銀、銅の入賞各賞と佳作を10点ずつ選んだ。
遊びに出かけるとき、自転車に乗る機会があるという畑さん。ニュースで、自転車と歩行者の接触事故が起こり、自転車を運転していた人が多額の損害賠償を命じられた事案を知り、作品に反映した。自転車にまたがる自分とその横に自動車を描き、「自転車に乗るならわたしも運転手」の標語をしたためた。畑さんは、「大勢の人にポスターを見てもらって、私と同じような思いを持ってもらえたら」と話した。
絵を描くのが大好きという近藤君も自転車をテーマに作画。「青でもとまって左右かくにん」と標語を書き込み、横断歩道の前で自転車に乗って自分が左右確認している様子を描いている。近藤君は、「ポスターが(銀賞に)選ばれてうれしかった」と笑顔を見せた。
同ポスターの入賞作品をトラックの車体に貼って交通安全を啓発する取り組みは、昨年度から市内の運送会社が自主的に行っており、今年度は同市柏原町の運送会社「ジェイ エヌ」(十倉貫社長)が手を挙げた。
近畿一円を配送エリアとしている自社の冷凍冷蔵車(3―4トン車)5台の後方扉に貼りつけている。十倉社長は、「交通安全を願う気持ち以上に重いものを運ぶことはない。子どもたちの大切な思いを安全に届けさせていただく。ドライバーも自分事と考え、いつも以上にハンドルを握る気持ちが強くなる」と気持ちを引き締めていた。