イノシシ掘り返し 公園に大規模被害 芝生3ヘクタール 豚熱も要因か

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特に被害が目立つ公園西側の「森の広場」の周辺。耕された田んぼのような光景が一面に広がっている=兵庫県丹波篠山市西古佐の丹波並木道中央公園内で

兵庫県丹波篠山市にある県立丹波並木道中央公園内の芝生が、至るところで野生のイノシシによって掘り返され、穴ぼこだらけになっている。同公園によると、「これまでになかった」ほどの大規模被害。昨年11月上旬から、約70ヘクタールの敷地(うち7割は森林)の中で、広場や歩道沿いなど約3ヘクタールが被害に遭った。家畜伝染病「豚熱」のまん延に伴い、捕獲数が減っていることも原因と考えられ、同公園は「お手上げ状態」とため息をつき、対策に頭を悩ませている。

現地を確認した市農都整備課によると、成獣の集団による”犯行”である可能性が高く、県森林動物研究センター(同県丹波市青垣町)によると、餌となる土の中のミミズなどを狙い、芝生を掘って穴を開けていると考えられるいう。

公園西側の「森の広場」周辺や、かやぶき民家付近で特に被害が目立ち、トラクターで耕した田んぼのような光景が広がっている。

被害拡大を受け、公園スタッフは、山に向かって爆竹を鳴らしたり、忌避剤をまいたりし、できる限りの対策を講じてきたが、被害が収まることはなかった。現在も2日に1回は獣害柵の点検を欠かさず、被害を最小限に食い止めるべく、奮闘している。

同公園は多くの家族連れや地元住民らの憩いの場。昨年度は約17万人が来園した。登山路もあるため、来園者の安全面を考慮し、わなの設置や猟師による駆除活動が容易にできない事情もある。開園した2007年当初から毎年のように被害は確認されていたが、いずれも小規模なものだったという。

かやぶき民家付近の広場の被害状況

同公園の梶村徳全所長は「芝生広場でゆっくりしたいと訪れる方も多い。頭が痛いどころではない。来園者の方には申し訳ない」と苦慮している。

被害を受け、同公園は県と市へ相談。県は3月ごろに芝の修復工事を行う予定で、新年度以降も現地調査を続け、効果的な対策を模索していくという。市は、地元猟師に対し、公園周辺地域で重点的に狩猟をするよう呼び掛けている。

イノシシ肉を使った冬の名物「ぼたん鍋」で知られる同市。しかし今シーズンは、18年から拡大が続く豚熱のまん延防止のため、猟師が捕獲したイノシシは市場への流通が禁じられている。

市農都整備課は、豚熱の影響を要因として挙げる。「今シーズンは他地域から訪れる猟師の数は例年の半分程度。一番、お金になるイノシシを獲っても、埋めるか、自家消費するしかない」と話す。市は独自で鳥獣被害対策実施隊員に限り、イノシシ1頭当たり1万3000円の報奨金を出している。

また、「科学的根拠はないが」と前置きした上で、「豚熱にかかったイノシシが熱を冷ましたり、喉を潤わせたりしようと、水を求めて麓へ下りてきているのでは」という仮説も立てる。事実、市内では、豚熱感染が確認された死骸が、麓の水辺で多く発見されているという。

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