右腕に障がいがある兵庫県丹波市出身のパラ陸上アスリート、芦田創さん(28)=トヨタ自動車=が13日、丹波市立中央小学校を訪れ、児童の質問に答え、パラリンピックへの思いを語った。1センチ届かず、走り幅跳びで東京パラリンピック日本代表入りを逃したことを「一番悔しかったこと」に挙げ、2024年パリ五輪で金メダルを獲得するロードマップを語った。
「今年の目標は」の問いに、「2023年にメダルを狙える位置にいる必要があり、今年は世界トップ8に入るジャンプをする」と答え、7メートル台をコンスタントに跳ぶ練習をしているとした。
2016年のリオパラで獲得した銅メダル(400メートルリレー)に関し、「メダルをもらってうれしかったことは」の質問には「銅メダルを持っていることは、あまりうれしくない。金メダルがほしい。世界で一番になる目標ができたことが良かった」と述べた。
「どうしたら諦めずに取り組める」の質問には、「答えは簡単。自分の好きなことだから頑張れている。みんなも、自分が好きなことは何だろうと考えて」と助言した。
芦田さんは、早稲田大学在学中の21歳で出会ったコーチに「人生において障がいに甘えて生きているだろう」と言われ、「自分の可能性を閉ざしていたのは自分。頑張らない言い訳をつくっていた」とはたと気付き、そこから自分が障がいに甘えずに、自分の人生を楽しめるのかを考え、パラリンピックで1位になりたいと思うようになったと、選手としての転機を紹介。「めっちゃかっこいいし、障がいのある人、ない人に勇気を与えられると思った。このバランスの悪い体でできるだけ速く、遠くを極めたい、その姿を見てほしいと思った」と語った。
また、「障がいがあろうがなかろうが、人の悩みはほぼ近い。自分のことを好きであろうと頑張って。相手を理解する前に、まず自分を理解して」と語りかけた。
速く走るこつを教える実技では、「走るというのは、片足でジャンプすること」と言い、ケンケン、スキップ、ホッピング、バウンディングの手本を見せ、6年生が続いた。「地面を蹴り、弾む感覚を身に付けて。一生懸命がむしゃらに足を動かすのでなく、楽に、速く、強く、大きく動かして」と助言した。