兵庫県丹波篠山市にある篠山産業高校電気建設工学科建設コースの3年生7人が、1学期から同市立西紀小学校のグラウンドで製作してきた「防災かまどベンチ」が完成し、このほど同校へ寄贈した。普段はベンチとして利用し、災害時には、座板を外せば炊き出し用のかまどに“変身”する優れもの。同様のベンチを寄贈したのは、3校目となった。
ふるさと貢献事業と、3年生の課題研究の一環。2班に分かれ、2基を作った。ベンチは高さ45センチ、奥行き80センチほど。デザインが異なるため、幅は1・6メートルと1・8メートルのものがある。
コンピュータツール「CAD」を使って図面を設計。設計図をもとに、基礎となるコンクリートを打設し、その上に耐火れんがを積み上げていった。木製の座面には、腐食を防いで長く使えるよう、防腐剤やウレタン塗料を塗った。児童がけがをしないよう、角の面取りもした。
設置場所は災害時を考慮し、手洗い場の近くにした。2学期には、毎週木曜日に同校まで出向き、児童が見守る中で作業に汗を流してきた。
生徒は「空気が入る部分のブロックを積むのに苦労した。何回も失敗しながら作ってきたので、達成感がある」、別の生徒は「耐久性に加え、ブロックをななめにして積むデザイン性にもこだわった。普段と災害時のどちらにも活用してほしい」と話した。
同小の高森俊広校長は「立派なものを作ってもらい、うれしい。グラウンドは子どもたちだけでなく、地域の方も利用される。万が一の災害時だけでなく、普段、子どもや地域の方がちょっと休める場にもなる」と、感謝していた。