兵庫県丹波市内の小中学校で、プール掃除が行われている。氷が張り、建物の屋根に雪が残る厳しい寒さの13日も、業者が中央小学校のプールを掃除していた。プール掃除は通常、シーズン前の初夏に教師と子どもで行う“行事”。どうして冬場に、なぜ業者が。
「新型コロナウイルスの影響」と、同市教育委員会。昨年、一昨年と、コロナのため、市内小中学校は、水泳の授業を見合わせた。「更衣室の密を避ける」が理由。プール掃除が行われず、水を張ったまま2年が暮れた。この間、プールの浄化施設、ポンプ、モーターなども使われておらず、機械が正常に動くか、夏に向け、メンテナンスをしているのだという。寒中水泳への備えではなかった。
プールの汚れがひどい状態で機械を動かすと、傷むリスクがある上に、稼働状況の確認がしづらいため、コロナ以前のきれいな状態に戻す必要があり、メンテナンスの前段として、掃除が行われている。
中央小では水を落としたプールの底に、グラウンドなどからの土が堆積。ほこりと共に空中を舞い、プールに落ちたとみられる。水切りワイパーで土を集め、排水管に詰まった土を高圧洗浄するなどした。
掃除後、プールに水を張り、後日、改めて機械を点検する。
同校プールの保守点検業者、ニシヤマ(同県西脇市)の西山英城代表(54)によると、水泳の授業が始まる前の4―6月と、授業が終わる8、9月が保守点検時期で、冬場に学校のプールに関わることは基本的にないという。また、掃除は学校が授業で取り組むので、業者が掃除することもなかったという。
西山さんは、「程度に違いはあるけれど、どこの学校も泥がたまっている。シーズン前に、教師と児童で仕上げの掃除をし、水泳を楽しんでもらえたら。子どもの、きゃっきゃという明るい声が、プールに戻るのを待っています」と話していた。