兵庫県丹波市柏原町柏原の民家の空き地で、イソヒヨドリの雌雄がせわしなく動き回る姿が見られる。丹波野鳥の会の梅津節雄会長は、「そろそろカップルとなる季節。雄の美しいさえずりも間もなく聞こえてくるはず」とほほ笑む。まだまだ寒さは厳しいが、春の足音は着実に近づいている。
梅津さんによると、名前の通り、本来は海辺にくらす鳥。内陸に位置する丹波地域では、一昔前までは見られなかったが、建物の屋上や屋根の隙間などで繁殖するようになり、20年ほど前からよく観察される、なじみの鳥になったという。
「肉食傾向が強い鳥。時々、トカゲやムカデをくわえているシーンを見かけます」
雄は頭からのど、背中にかけて青色が美しい。雌は全体的に灰褐色で地味。全長23センチほど。
屋根にとまってしばらく辺りを警戒した後、地表に舞い降り、餌を探しているのか、せわしなく草むらの中を動き回っていた。雌雄が近づいたり、並んだりすることはなかったが、交互に舞い降りては飛び立つという動作を繰り返していた。
名前にヒヨドリと付くが別種で、ヒタキ科の鳥。