「五重塔」10分の1サイズで再現 元大工が2年かけ制作 装飾や構造も同じに

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 兵庫県丹波市春日町の元大工、田村長治郎さん(71)が、2年かけて法隆寺の五重塔(国宝)を10分の1サイズにした骨組みを制作した。全て丹波市産のヒノキで組み上げており、装飾や屋根の反りなど、細部にまでこだわっている。縮小サイズとはいえ、高さは3メートル40センチほどあり、見上げる大きさ。外観では分からない構造を知りたいという探求心が制作意欲を駆り立てたと言い、「重機がない時代に、どうやって建築したのか。先人の知恵に感心する」と話している。

端材などを使って製作した。全ての寸法を縮小して計算し、細かい部材も一つひとつ作り、その数は「1000個ではきかない」(田村さん)。下層から順に作り、心柱を中心に5層を積み上げた。

下層から上層にいくにしたがってサイズが小さくなる特徴も再現。屋根の裏側の装飾や扉、最下層の階段に至るまで細かにこしらえた。台座に車輪を付けており、移動できる。

実物を見たのは50年ほど前の1度きりだが、建築に携わってきた身として、構造を知りたかったという。「昭和の大修理」の際に作成された詳細な図面を取り寄せ、製作にかかった。とは言え、仕事では一般住宅の建築が中心だったため、図面を理解するのに戸惑い、時間がかかったという。

各層は独立し、心柱を中心に積み上がっており、地震の際には各層が互い違いに揺れて振動を吸収するとされる構造も実物と同じ。「1300年以上も昔に、これほどのものを建てる技術に驚かされた」と舌を巻いた。「興味がある人には見てもらえれば」と話している。

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