兵庫県丹波市山南町の山裾の林でセリバオウレンが開花し、白くかれんな花が、春の日差しが届き始めた林床で揺れている。
キンポウゲ科の多年草。高さ約10センチで、花の直径は約2センチ。葉がセリの仲間のような形をしていることから名前が付いている。根茎は黄褐色で、乾燥させたものが生薬の「オウレン(黄連)」。山南町和田地域はかつてオウレンの産地だったが、収穫まで時間がかかることなどから、現在は同地域にはオウレン農家はいなくなったという。
「幼い頃、秋にセリバオウレンの根を掘りに山へ行き、小遣い稼ぎに薬草問屋へ持って行っていた」と、同町の男性(69)。また、別の男性(64)は、「自生のものは栽培されていたオウレンのルーツではないか」と話していた。