神戸発祥の有名カレー店「マンドリルカレー」で5年半修業した中林克仁さん(29)=兵庫県丹波篠山市曽地中=が今月、同市北新町でカレー専門店「篠山ビーフカレーTAKI」をオープンする。30歳を前に「愛着ある故郷で、事業を起こしたい」と開業を決意。中学時代の同級生、西村大作さん(29)が家族で営む「篠山ビーフ 西村牧場」(同市八上上)から仕入れた牛肉を使ったビーフカレーを中心に、多彩なカレーメニューを提供する。中林さんは「自分も、来てくれる人も、みんなが楽しくて、明るくて、ワクワクする店にしたい」とオープンの日を心待ちにしている。
店名は、篠山東野球少年団の前身、多紀野球少年団からとった。篠山東中野球部に所属していた中林さん。同少年団出身のチームメートがいたことから、「思い入れのある名前にしたかった。篠山東の魂を込めた」という。
篠山鳳鳴高、関学大を卒業し、東京の樹脂メーカーで1年半勤めた後、2016年にマンドリルカレーに雇われた。たまたま店舗に足を運んだ際、店員の接客対応に感銘を受け、スタッフとして誘われたことから入社を決めた。調理から接客まで全ての業務をこなし、執行役員も務めた。
「カレーを選んだのはなんとなく。もともとめちゃくちゃ好きというわけじゃなかった」と明かす中林さん。ただ、30歳までをめどにUターンし、丹波篠山で起業するという自身で描いたビジョンは決してぶれなかった。
保険会社の事務所だったという建物の1階部分を店舗にする。牛すじやホルモン、バターチキン、豚バラなど8種類ほどのメニューを提供する。値段は690-1000円程度。淡路島産タマネギを炒めてペーストにし、独自に調合した特製スープ、10種類以上のスパイスと合わせ、老若男女が食べやすい味に仕上げる。中林さんは「カレーは、ご飯がおいしく食べられるスペシャルソース」と表現する。
中林さんは「どんな反応をもらえるのか、楽しみが大きい。『おかえり』と気軽に声を掛けてもらえたらうれしい」と笑みを浮かべた。
オープン日は4月9日の予定。営業時間は、午前11時-午後9時。