兵庫県丹波市春日町の出版業の「あうん社」(平野智照代表)が、「丹波発 次の生き方としての『田舎』」を発行した。丹波市、丹波篠山市の16人をはじめ、広い意味の「丹波国」の在住者も含め計20人が執筆した原稿を収録。自然だけでなく、空間も時間も豊かな田舎でどのような生き方をして、どのような夢を描いてきたかを語ってもらった多彩なエッセイ集になっている。
両市の執筆者(敬称略)とそれぞれのタイトルは、▽芥川清「京都から丹波へ」▽池畑美帆「豊かな生活」▽イラズムス千尋「つくる日々~丹波生活と丹波布と」▽上田敦史「丹波に能の種をまく」▽佐藤勉「『手打ちそば木琴』という店作りをしています」▽竹岡正行「理想の農暮らしを探求して」▽近兼拓史「田舎だから出来なかった映画館が、田舎だから出来た理由」▽出町慎「兼業建築家やりたい仕事は自分で創る」▽中川ミミ「移住して変わるもの、変わらないもの」▽西辻一真「自産自消ができる社会を創る」▽前川進介「田舎暮らしで鬱から抜ける!」▽柳川拓三「田舎道」▽由良俊也「森の舟から」▽平野隆彰「『丹波のしごと』について」など▽木村裕輝「田舎暮らし―この二十年間の変化」▽森田靖久「配信で『田舎の普通』を全国へ」―。
あうん社は、丹波地域にIターンした人たちを取材し、まとめた「田舎は最高」を2007年に発行しており、今回はその第2弾。前書は、田舎暮らしそのものが主題だったのに対して、今回は、人それぞれの暮らしぶりに焦点を当てようと、「次の生き方としての『田舎』」というタイトルを考えついたという。
平野さんは、「次の生き方をするには『自分なりのモノサシ』を持つことが必要だが、執筆者はそれぞれに自分のモノサシを持って田舎で生きている人たち。田舎に移り住むことを考えている人たちの参考になれば」と話している。
1冊1540円。道の駅丹波おばあちゃんの里(春日町七日市)で扱っており、アマゾンでも購入できる。