兵庫県丹波篠山市の各種審議会委員の女性登用率が2021年度に40・0%となり、兵庫県がこのほど発表した、県内41市町の女性登用状況でトップだったことが分かった。19年度の29位、20年度の24位から急浮上しており、各種団体への積極的な声掛けなど、登用率向上の取り組みが実を結んだ。市人権推進課は、「女性が1人、2人では発言しにくく、3、4人いれば言いやすいという声もあった。今後も女性登用を図っていく」としながら、「女性が多ければ良いというものでもなく、男女のバランスを大切にしていきたい」と話している。
昨年度、市には64の審議会があり、うち8割を超える55の審議会で女性登用率30%以上を達成。全体では1064人の委員のうち426人が女性で、40%に達した。一昨年度は女性がいない審議会が14あったが、昨年度は全審議会に女性が参画した。
市は12年度に策定した第2次男女共同参画プランで、「市政への女性参画の拡大」を目的に、審議会の女性登用率を21年度に30%にすると設定。 しかし、20年度の実績が25・3%だったため、目標達成に向けて各審議会を所管する担当課にヒヤリングを行い、各種団体からの委員選出時に女性の適任者を推薦してもらえるよう促してきたほか、市職員が職務で委員となっている場合は、女性職員に交代することなどを呼び掛けた。
結果、21年度の丹波篠山市は、三田や尼崎、宝塚、宍粟など、上位常連の自治体を“ごぼう抜き“し、1位となった。31年度までの第3次プランでは登用率45%を目標に掲げており、さらなる向上を目指す。また、市の女性管理職比率も22年度は20・6%(97人中20人)で、前年度から0・6ポイント向上している。
市人権推進課は、「防災に関する審議会などでは、災害時の避難所の運営などに女性の視点が大事になる。女性の委員が意見を述べやすいよう、会の進行なども工夫していきたい」とした。
酒井隆明市長は、「市も女性の管理職登用を図っていくことで、女性が『自分たちも主体的にやっていくんだ』という意識を高め、雰囲気をつくっていけたら」と話す。
市男女共同参画プラン策定委員会の太田鈴子会長は、「他がもっと進んでいると思ったので、県内1位は驚き」と言い、「男性、女性、どちらかに偏るのではなく、同じくらいの比率が大事。(登用率の向上で)良い方向には向かっているけれど、自慢するには早い。これからさらにより良くして、『丹波篠山って良い所やな』と思ってもらえるようになりたい」と話していた。