兵庫県丹波市氷上町の谷垣忠春さん(81)が所有する農業倉庫に毎年、フクロウが営巣しており、今年も2羽のひながすくすくと育っている。食事こそ”セルフ”だが、まるで「居候(いそうろう)」だ。
天井裏の資材置き場に巣を構えており、巣立ちが近づくと、人目につく場所に出てきてたたずんでいることが多く、そこで初めて営巣に気づくという。今年の”初顔合わせ”は、例年より10日ほど遅い23日だった。
7、8年前から営巣を始めた。ひなの数は毎年1、2羽という。親鳥が姿を現すのは夜。20センチ角の換気口から出入りし、ひなに餌を与えている。
ひなは、決まって巣立ちを1週間後辺りに控えた頃に姿を現し、倉庫の中で作業をする谷垣さんのことを不思議そうに日がな一日眺めているという。
谷垣さんは「かわいいもんです。今年も無事に巣立ってくれるでしょう」と目を細めている。