ケリが営巣 田植え後の水田に 水張らず見守る

2022.05.27
地域自然

水田に巣を作ったケリ=2022年5月23日午前11時7分、兵庫県丹波市市島町東勅使で

兵庫県丹波市市島町東勅使の早瀬智康さん(76)の田植えが終わった水田に、野鳥のケリが巣を作り、卵を産んだ。早瀬さんによると、田植え前に巣を見つけることは何度もあったが、田植え後に営巣したのは初めて見たという。「かわいそうだから、水も張れない」と笑顔を見せ、巣立つまで温かく見守るつもりでいる。

比較的、道路に近い位置で営巣している。卵を温めたり、周囲を警戒したりと、つがいで協力しながらわが子を守っている。人や車、カラスなどが近づくと、けたたましく「キキッ、ケケッ」と鋭い鳴き声を放って威嚇し、外敵を追い払おうと、ぶつかりそうなほどの距離まで突っ込んでくることもある。

 

ケリが作った巣

早瀬さんは、計10ヘクタールほどで稲作をしているが、毎年、どこかの田で必ず営巣するという。今年は6つの巣を確認。数年前、作業の邪魔になるからと巣ごと土手に移動させたところ、カラスに襲われたことがあったという。それ以来、巣は動かさずに見守っている。

ケリに気持ちが伝わったのか、早瀬さんが作業時に近づいても激しい威嚇はしないという。「かわいい。成長が楽しみ」と話している。

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