兵庫県丹波市春日町の佐野豊さんがこのほど、同町の田園地帯で、田んぼを耕すトラクターのそばで餌をついばむ1羽のコウノトリを見つけた。エンジンうなるトラクターや農作業にいそしむ人をものともせず、採餌に励む野生のたくましさをカメラに収めた。
買い物帰りに車を走らせていると、田んぼを鋤いているトラクターや草刈りをする農夫の周囲に複数のアオサギやダイザギが集まり、地中や草むらから飛び出してくる虫やカエルなどをついばんでいたという。その中にひときわ大きな鳥を見つけた。
「サギが、トラクターが動いていても逃げずに餌をついばむのは知っていたが、コウノトリもトラクターを恐れず、すぐそばで餌を取ることを知りました」と言い、「2月27日に初めてコウノトリと出合い、また近くに現れてくれるのではないかと心待ちにしていた」と再会を喜んでいる。
両脚に付けられた足環から、2020年3月23日生まれで、同県豊岡市出石町森井の人工巣塔を同年6月5日に巣立った雄個体(J0277)であることが分かった。