兵庫県丹波市氷上町谷村の中川八千代さんが、自宅近くの道沿いにある集落の土地の一角で世話している12種約60株のアジサイが見頃を迎えた。曇天の梅雨空の下でにぎやかに咲き誇るアジサイの“お花畑”を通りかかった住民らは「きれいな花を見たら気持ちが明るくなるわ」などと口にしている。
青や赤紫、白など、色とりどりで品種もさまざま。アジサイ以外にも、キンシバイの黄色や、マツバボタンの赤紫が彩りを添えている。アジサイのオフシーズンにも花を楽しめるよう、春に咲くムスカリや、夏から秋にかけて見頃となるトレニアも植栽している。
アジサイのお花畑は、交通量の多い県道に面した集落の出入り口の“一等地”にあり、約60平方メートル。同自治会の所有地で、もともとはサツキが植えられていたが、年2回の草引きだけでは追いつかず雑草まみれになっていたため、5―6年前に除去し、ハナミズキやシャクナゲ、アジサイを植え直した。しかし、それらも台風の被害に遭い、無残な姿になったため、中川さんがボランティアでアジサイを植えることにした。
2019年のゴールデンウイークが終わる頃、雑草にまみれていたこの場所の開墾をスタート。3カ月かけて、はびこった根を取り除き、自宅で育てていたアジサイの苗木を植栽した。その後も、母の日に夫や息子らから贈られたアジサイを移植するなどして数と種類を増やし、現在のお花畑となった。
「開墾を始めた時は、しんどかったけれど、こうして毎年美しく咲き誇ってくれる様子を見ているとうれしくなって、今では草引きなどの世話は全く苦になりません。主人(龍美さん)には、『自分とこの畑より精を出しとる』と言われる始末です」と笑い、「7月上旬までは見頃が続くと思うので、近くを通られた際には立ち寄ってもらえたら」と話している。