兵庫県丹波篠山市内にある神社の鎮守の森で、突然、目の前の木から視線を感じた。目を凝らしてみると、黄色い大きな瞳がギョロッ。ジーっとこちらを見つめていたのは、フクロウの一種「アオバズク」だ。
全長30センチほど。夜行性で、「ホッホー、ホッホー」と鳴く。頭や翼、尾などは黒褐色で、腹部は白と黒褐色が混じる。東南アジアなどで越冬し、日本には夏鳥として飛来する。夏至の日(21日)を前にぴったりの出合いだ。兵庫県版レッドリストでは、絶滅の危機が増大しているとして絶滅危惧種Bランクに指定されている。
存在に気が付かなかったのは、樹皮そっくりな色の体が保護色になっていたことと、じっとして動きを見せなかったから。こちらも想定外で、お互いに「まさか」だったため、驚いたまま固まってしまった。
数枚シャッターを切り、「ごめん、ごめん」と告げて現場を去った。動悸は激しいままだった。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)