兵庫県丹波篠山市の井関博明さん(82)宅そばの山の斜面で「ササユリ」が咲き始めた。イノシシの食害で株数は全盛期の3分の1ほどになったが、さまざまな対応策を取り、なんとか株数を維持。「育てるのが難しく、病気にかかりやすいササユリだからこそ、開花がうれしい」と話している。
約40年前、ササの林の中でササユリがちらほら咲いているのに気付いた。2004年、市花に制定されたのを機にまめに草刈りをして維持管理。毎年3月末に草刈りをして、ササユリが咲くのを待つ。15年ほど前には300―400本も咲いていたという。
しかし、イノシシによる食害が年々ひどくなり、防御のためにまずはノリ網を試し、その後はトタン板、ワイヤーメッシュと素材を変えてきた。今年はワイヤーメッシュの上にさらにノリ網をかぶせている。
井関さんは「食害は収まってきたが、自分が高齢になって広範囲に設置ができないので、70―80本を維持できるくらいのエリアに限定しようかな」と無理のない維持管理法を模索している。