兵庫県丹波市山南町の瀬川義廣さん(74)宅で鉢植えのササユリが見頃を迎えている。4つの鉢に植えられた約40本が、淡いピンクや白色の大輪を咲かせ、庭先に芳しい香りを放っている。栽培に苦労したが、ようやく安定的に咲かせることができるようになったという。
草丈40―60センチ。その先端に1―3輪が咲いている。「昨年は花付きが良かったが、今年はさらにその上をいく。良い感じ」と顔をほころばせる。
15年ほど前、友人から3株譲り受けたのが始まり。増やそうと試みたが、「まあ(栽培が)難しい花ですわ」。まいた種は発芽するが、花が咲くところまで成長させることが長年できなかった。
盆栽歴約50年という瀬川さん。盆栽の主木を引き立てるために植える「添え」と呼ぶ山野草を栽培している経験から試行錯誤を繰り返し、「ここ数年でようやく毎年、安定的に花を咲かせることができるようになった。ご近所さんも毎年咲くのを楽しみにしてくれとってです」と話す。
「香りが良くて、見た目に美しい。種から花が咲くまでに5―6年もかかる。その栽培の難しさもこの花の魅力かな」とほほ笑んでいる。