オレンジのオニユリの群落出現―。兵庫県丹波篠山市東古佐の篠山川河川敷にオニユリ(ユリ科)が約200メートルにわたって咲いている。河川敷を散歩していた際に花を見つけた男性が、10年ほど前から保全に向けて各方面に協力を依頼し続けてきた。20日頃からは河川敷がオレンジ色のじゅうたんのように見えるほど満開に。男性は「県内でもこんな群落は珍しいのでは。10年来の夢がかなった」と協力者に感謝し、喜んでいる。見頃は8月上旬まで。
同市住吉台に移住した20年ほど前から河川敷を散歩している大和隆哲さん(80)。以前からオニユリがちらほら咲いているのを見ていた。オニユリの成長期が、河川敷の草刈りの時期と重なり、株が草と一緒に刈られてしまうために、例年、花を見せるのは少しだった。
同県立人と自然の博物館(三田市)に問い合わせ、オニユリは日本に自生するもので、群落になっても問題ないことを確認。10年ほど前から、「草刈りをしなかったら、オニユリがどれほど咲くのか一度見てみたい」と、地元関係者らに草刈り除外の協力を求めてきたが、行政との関係もあり、なかなか実現には至らなかった。
昨年は、散歩する人にオニユリを見てもらおうと、河川敷の道沿いに咲く約2メートル四方のみロープで囲み、地元自治会に草刈り除外の協力を依頼。「オニユリ」のプレートを設置した。今年は地元自治会のほか、市にも協力を依頼。6月の草刈りの際には、地元自治会が担当するエリアのうち、オニユリが咲いている周辺は大和さんらが刈る条件で除外となった。すると、7月に入って鮮やかなオレンジの花が咲き始めたという。
場所は西紀大橋から東へ約1キロの左岸(南側)河川敷。