前栽でキツネ昼寝 家族3匹ですやすや 「涼しくて気持ち良いのかな」

2022.07.18
地域

藤本さん宅の前栽に寝そべり、くつろぐキツネの家族=兵庫県丹波市山南町で

兵庫県丹波市山南町の藤本正美さん(95)が、自宅の前栽で昼寝をするキツネの家族を撮影した。気持ち良さげに目をつむったり、あくびをしたり、リラックスしきった表情を捉えた。正午を回ると木陰になり、敷いていた寒冷紗の下のコケのクッションが良く効くところ。「涼しくてふわふわで、気持ち良いのかな。それにしても機嫌良さそう」と、くつろぐキツネの姿に藤本さんは目を細めている。

3日の雨の日に縁側で読書をしていると、窓ガラスの向こうの沓脱石の上の、座っていた椅子から1メートルほどの所に、大きなネズミをくわえたキツネが現れた。キツネは藤本さんに気付き、ネズミを置いて逃げたが、その後、再び戻り、今度はコケを守るために敷いた寒冷紗の上で獲物を食べ始めた。

7日まで毎日のように現れた。1匹で来る日もあれば、5日は家族3匹でやって来て、身を投げ出し、すやすや眠ったりあくびをするなどリラックスムード。藤本さんは邪魔をしないように、縁側から離れた別の部屋から望遠で撮影した。

キツネが来る前栽を指さす藤本さん

丹波市内でキツネというと、春日町黒井で靴を盗むキツネがよく知られているが、藤本さんは盗まれていない。「農作物を荒らすでもなく、害がないので、そっとしている」と藤本さん。藤本さん宅は県道多可柏原線の富田信号の近く。山のすぐそばではない。「95年生きてきて、こんなことは初めて。この辺りでキツネを見たことすらなかった」と、珍客の来訪を驚きつつ、愛でている。

夕立、梅雨のような雨が続き、比較的気温が落ち着いた8日以降は姿を見ていない。かわりに、アナグマかアライグマが近くの畑で盗んで食べたと見られるトウモロコシが数日続けて見つかった。「他の野生動物のせいでキツネが姿を見せなくなったのかな」と、キツネが再び現れるかどうか観察を続けている。

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