電子マネーの詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県丹波警察署は20日、ファミリーマート柏原下小倉店の女性店員(69)に感謝状を贈った。
同署によると、6月22日午後5時ごろ、20歳代の女性が来店し、電子マネーカードを30万円分購入した。女性店員は「大金だけれど大丈夫ですか」と声を掛けたが、女性は「自分のお金だから」と取り合わなかったという。
女性は終始、店内で通話しており、退店する際に「今、購入しました」と話しているのを聞いた女性店員は詐欺を疑い、店外にいた女性に詐欺の可能性を伝えた上で電話を替わり、相手に「何のお金か」と問い詰めたところ、「あんたには関係ない」と、切られたという。その後、警察に通報し、電子マネーは返金した。
女性は、自身の携帯電話に「携帯電話の停止に伴う利用料金の確認が取れない」旨のメールが届き、記載の電話番号に連絡したところ、男の声で、30万円が未納になっているが、すぐに支払えば9割は返金すると言われ、通話状態のままで電子マネーを購入するよう指示されたという。
女性店員は「だまされているなら、女性のお金を使わせてはいけない、かわいそうだという思いだった」と話す。同署長は「積極的な声掛けはしづらいが、よくやっていただいた。未然に詐欺を防ぐことができ感謝している」と話していた。
同署管内では20日現在、特殊詐欺の被害認知はないが、同署に17件の相談が寄せられている。