兵庫県丹波地域の高校に通う生徒が“先生”になって、小学生にさまざまな体験活動を提供する「たんば子ども塾」(丹波青少年本部主催)が7月27日、同県立柏原高校で開かれた。同地域の小学4―6年生15人が参加し、同校の「理科部」(8人)による科学実験教室を楽しんだ。
小学生たちは4班に分かれ、同部が用意した▽空気砲で遊ぼう▽スライムをつくろう▽ろうそくの火が水を吸い上げる▽空き缶つぶし―の4つのブースを巡った。
スライムのブースでは、ぬるま湯で溶いた洗たくのりに好きな色の絵の具で色を付け、それにホウ砂水溶液を少しずつ加えながらかきまぜた。すると徐々に粘り気が出て、ぷよぷよとした感触のスライムが完成した。子どもたちは伸ばしたり丸めたりして、友だちやきょうだいと見せ合っていた。
兄の星空君(11)と参加していた志賀楓菜さん(9)は、アルミの空き缶の中に少量の水を入れて沸騰させ、逆さにして水に浸けると、大気圧の関係で空き缶が一気にぺしゃんこになる空き缶つぶしの実験が印象に残ったと言い、「原理はよく分からなかったけれど面白かった。ほかの実験も家でできそうなものばかりだったので、やってみたい」とほほ笑んでいた。
空き缶ブースの先生として奮闘した1年生の石田大翔君は、「小学生に集中してもらうため、身振り手振りを大きくして進めた。子どもに分かりやすく伝えるには、まず自分が深く理解しておかないといけないので、自分の勉強にもなった。少しは科学の楽しさを伝えられたかな」と笑っていた。
同塾は、世代間交流と各高校のPRなどを目的に2000年から実施。今年度は丹波市から11人、丹波篠山市から4人の児童が参加している。22日の篠山産業高校を皮切りに8月10日まで、各校がプログラミング教室や自然観察会、調理実習など、特色を生かした計6講座を開く。