23日は二十四節気の一つ「処暑」。暑さが和らぎ始めるころとされる。兵庫県丹波篠山市内で金色に色づきつつある水田のそばを通ると、一斉にイナゴが飛ぶ。まだまだ暑いが、本格的な秋が近づいていることを実感する光景だ。
体長3―4センチほど。成虫は夏から秋にかけて姿を見せる。黄緑色の体が稲の色彩とよく似ている。漢字で「稲子」などと書くようにイネ科の植物を食べるため、害虫として時に被害を出すことがある一方、栄養価が高いことからかつては全国で食用にされ、現在でも一部地域で食べられている。
イナゴが飛び乗った稲穂はやがて収穫され、おいしい新米になる。心の中で「食べ過ぎないように」とお願いしておいた。生き物から季節を感じることができるのは、田舎ならではの「特権」かもしれない。
【丹波新聞虫部】