黒枝豆収穫で副業OK 市職員が「サポーター」に 農業では兵庫初

2022.08.20
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兵庫県丹波篠山市は、特産の黒枝豆収穫期の労働力不足を補うことなどを目的に、同市職員に収穫作業など農業分野に特化して副業を認める「黒まめサポーター職員制度」をスタートした。職員の副業自体はこれまでから届け出があれば内容を審査した上で許可していたが、制度を創設することで、より積極的に農業分野での副業を勧めることが狙い。同市は、「特産に関わることで、地域貢献と人材育成にもつなげることができれば」と話している。農業での副業を推奨する制度は県内自治体では初という。

対象となるのは、黒枝豆生産農家の収穫作業などの支援や、山の芋、栗などの特産物の生産支援。従事するのは土・日曜や祝日、平日の勤務時間外で、通常業務に支障を出さないことを目的に、▽平日の勤務外は1日3時間未満▽1週間当たり8時間未満▽1カ月当たり30時間未満―と設定した。

また、年次有給休暇を取得しての従事は対象外としている。

実際に従事する場合は、総務課に申請書を提出。許可を得ると各自で働き先の農家を探して作業に臨む。報酬は各農家による。同市で斡旋などは行わない。

おせち料理の定番などとして知られる高級食材「丹波黒大豆」が完熟する前に枝豆の状態で味わう黒枝豆の収穫期は、10月の1カ月。多くの観光客が買い求めるため、各農家では家族総出で作業をしたり、親せきに作業を依頼したりしているほか、アルバイトを一時的に雇って繁忙期を乗り切っているケースもあり、収穫期前になると求人が増えるなど、短期間に多くの労働力が必要となる。

全国ではサクランボやリンゴ、ミカンなどの産地で市職員が副業で作業を手伝っているケースがあり、丹波篠山市も県内で初めて積極的に農業分野の副業を推奨する制度を取り入れた。

同市総務課は、「非農家の職員も多く、農業を体験しながら報酬を得たいという声もある。職員としての成長にもつなげてもらえれば」と期待している。

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