「払わないと裁判に」 30万円の架空請求詐欺 郵便局員が防ぐ

2022.09.21
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女性に届いたメッセージ=兵庫県丹波市で

兵庫県丹波市の女性(77)の携帯電話にこのほど、利用料金に関するショートメールが届き、それを信じてあやうく約30万円をだまし取られそうになった。女性は「利用料が発生する契約を結んだ覚えはないが、ひょっとして無意識のうちにボタンを押してしまっていたかもと思ってしまった。振り込みを思いとどまらせてくれた郵便局員の方に感謝」と話している。

女性によると、携帯電話に、電話会社を名乗り「ご利用料金の件につきましてお話したい事が有ります」とのメールが届き、指示された電話番号に連絡すると、男性が出て、「1年前に契約した利用料29万6000円が未納になっている。払わないと裁判になる」などと言われた。「(電話の声は)たんたんとした口調だったが、やたらと『入金』を強調するような感じだった。『手違いで契約していたのなら98%を返金する。その際は行政から連絡がある』とも言われた」という。

女性は意識せずに契約してしまっていたかもと思い、近くの郵便局のキャッシュコーナーから振り込もうとしたが、念のためにと局員に相談。局員が「詐欺に違いない」と止めてくれたという。

同県丹波署によると、今回のような架空料金請求詐欺では、宅配業者をかたるケースもあると言う。「まずは家族に、1人暮らしの方は駐在所や警察に相談してほしい。おかしな電話に出ないために留守番電話にしておくなど対策を」と話している。同署は、詐欺被害を防ぐために市内の郵便局と連携協定を締結している。県内では今年7月末で認知件数は460件、被害額は約7億2000万円。

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