兵庫県丹波篠山市藤坂の遊休農地で、ソバの花が見頃を迎えている。白くかれんな花が、約2反の畑一面を埋め尽くし、雪が積もったような光景が広がっている。
里山保全活動などに取り組む同市のNPO法人「里地里山問題研究所」の鈴木克哉代表理事が、10年来の付き合いがある所有者の長尾勝美さん(74)から「管理できなくなった農地を活用してほしい」と相談を受け、手間をかけずにかれんな花を咲かせるソバを栽培することで景観美化につなげようと考えた。
先月7日、同法人の活動に参加する人ら13人が種をまき、周囲には野生のシカの侵入を防ぐため、電気柵も設置した。水やりや施肥などの世話は一切していないが、みるみる成長。9月初旬から花を咲かせ始めた。
同法人スタッフの岡田理文さん(24)は「きれい。種をまいてから1カ月ほどでこんなに咲くとは」と驚いていた。長尾さんは「種をまく前は田んぼが草まみれになるのでは、と心配していた。感動です」と喜んでいた。
11月上旬に実を収穫予定。乾燥させてそば粉にし、活動参加者らが手打ちそばに舌鼓を打つ。