来年度に統合する兵庫県丹波市立吉見小学校と鴨庄小学校がこのほど、両校でそれぞれ統合前最後の運動会を開いた。保護者や卒業生、地域住民が駆けつけ、児童に声援を送るとともに、学校の一大イベントのフィナーレを見届けた。
吉見小(101人、足立圭造校長)では、全校児童に続いて地域住民が自治会ごとにプラカードを持って並んで歩く、伝統の入場行進を“復活”。コロナ禍などのため、この他校にはないプログラムの実施は4年ぶり。児童と住民が開会式、ラジオ体操を共にし、学校が地域と共にある演出をした。
足立校長は開会式で、「来年度から、鴨庄小との統合が待っている。統合は良いところを合わせ、さらに良い学校をつくること。地域からご支援を頂き、新たな歴史を刻むことができるよう、お力添えを」とあいさつした。
選手宣誓では、6年生の渕上晄乎君と山本空侑君が、「いつも見守ってくれる家族や地域の方々に感謝の気持ちを伝えるために、全力で競技することを誓います」と力強く述べた。
伝統の入場行進をした卒業生、吉見和幸さん(63)は、「(開会式で)校歌を聞き、懐かしい気持ちになった。鴨庄小と一緒になるが、仲良く一緒に学校を盛り上げてほしい」と話していた。
鴨庄小(39人、内田順子校長)は開会式で、児童代表の崎原琉太郎君(6年)が「この日のために、一致団結して練習しました。応援よろしくお願いします」と会場に呼び掛けた。続いて内田校長が「私たちと地域の人たちと一緒になって、人々の記憶に残る運動会にしましょう」と児童に語り掛けた。
6年生の古林楼乃さんと高野真保さんは、「鴨庄小学校最後の運動会、悔いの残らないように精いっぱい頑張ることを誓います」などと選手宣誓した。
閉会式は、児童が文字を書いたカードを持って行進する「グランドフィナーレ」で締めくくった。「鴨庄っ子の心を一つに39人協力してがんばりぬきました おうえんありがとうございました」と表現しており、最後は観覧席に掲げた。
卒業生の安達隆さん(81)は、「自分が子どものころは、全校児童が300人以上いてにぎやかだった。統合は寂しい感じはするけれど、大勢の中でもまれて成長してほしい」と話していた。