初の「ワイルドラン」開催 黒枝豆など背負って22キロ 「何もかもが最高」

2022.10.13
地域

初開催の「山賊ワイルドラン」でゴールテープを切る選手たち=兵庫県丹波篠山市遠方で

初のイベント「山賊ワイルドラン&炎の宴in丹波篠山」がこのほど、兵庫県丹波篠山市内で開かれた。黒枝豆やまきを背負い、間伐や農業なども体験しながら約22キロのコースを走るルールで、ランナーたちは秋の里山の風景や地元の人々との交流を楽しみながらフィニッシュ。「何もかもが最高だった」「地元のおばあちゃんからもらった声援が忘れられない」などと話し、全身で丹波篠山を味わっていた。

神戸市を拠点に産官学民連携事業を手掛ける「なりわいカンパニー株式会社」(湯川カナ代表)が、市内の里山資源活用に取り組む「ササノワ合同会社」(内田圭介代表)と、神戸学院大学現代社会学部で地域デザインを研究する学生と合同で開催。神戸市などから4チームが参加した。

初開催ということもあってか想定より少ないチーム数だったが、大沢1号公園で開かれた開会式で、湯川代表は「ここから歴史をつくっていきましょう」とあいさつ。ランナーたちは、記念撮影などを楽しみながら意気揚々と出発した。

道中では、ゴールの「丹波篠山やまもりサーキット」で楽しむバーベキューの食材を買い集めたほか、落花生の収穫や間伐などを体験し、福徳貴寺では湧水を手に入れるなど、ディープな丹波篠山を満喫。走るだけでなく学びも深めながらゴールを目指した。

道中では間伐なども体験した

まきや水など総重量10キロ近い荷物を背負って走ったランナーたち。荷物から顔を出す黒枝豆の束は道行く人々の注目を集め、「頑張って」「重たいやろ」などと声を掛けられ、笑顔で交流する場面も見られた。

ゴール後の宴では、猟師によるシカ肉の丸焼きが登場。記念植樹も行った。

優勝チームの赤松昴さん(20)=姫路市=は、「明日のアルバイトがやばいです」と疲労困憊ながらも、「歩いてしまう時間もあったけれど、地元の人の温かさが印象に残りました」と満足げ。準優勝を果たした灘高校の湯川友太さん(17)=豊中市=は、「丹波篠山の景色に感動したし、仲間たちと走り切れたことがうれしい。次回も必ず参加します」と笑顔を浮かべていた。

湯川代表は、「参加者と地元の方皆さんでこの空間をつくってもらいました」と喜び、「まだまだ未完成だけれど、少しずつつくり上げていきたい。今後10年間は続け、丹波篠山の文化になれば」と意気込んでいた。

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