地域移行へ課題山積 中学校の休日部活動 都市部と地方で異なる事情 受け皿確保難しく

2022.10.22
地域

休日の部活動の地域移行に伴う主な課題

運動系や文化系を問わず、多くの人が経験した公立中学校の部活動の在り方が変わろうとしている。教員の長時間勤務の解消などを背景にした働き方改革に伴い、原則、学校の教員が指導してきた休日の部活動を、指導や大会引率を含め地域の指導者に委ねる「地域移行」だ。兵庫県丹波市は昨年度、検討委員会を立ち上げ議論を進めているが、地域移行には生徒や保護者の理解に加え、受け皿となる団体や安全面の確保、予算面など、課題は山積している=表参照。スポーツ庁と文化庁の両有識者会議は、2025年度末までに移行する方針を提言しており、市も同年度をめどに移行可能な種目から実施するとしているが、市教育委員会は「スケジュール通りにはいかない課題も多々出てくると考えている」とし、手探りでの模索が続いている。

両有識者会議の提言は、地域での実施主体や指導者、場所の確保、大会の在り方など、今後、求められる対応はまとめられているものの、具体的に取るべき対策までには踏み込んでおらず、各市で検討して進めなければならない現状がある。

市教委も「課題があり過ぎる」と言い、目標とする25年度に全種目を移行することは「現状では難しい可能性が高い」とする。

特に大きな課題と捉えているのが、部活動の「受け皿」の確保という。県内では昨年度、同県播磨町や西宮市、神戸市が、民間業者などを活用するモデル事業を実施。このほかにも、「スポーツクラブ21ひょうご(SC21)」が部活動の受け皿を目指す動きもある。

ただ、丹波市教委は「都市部と、丹波市のような山間部で事情は異なる」との見解を示す。例えば、各校区にあるSC21は、スポーツを通じた地域のコミュニティーづくりを活動のメインとし、そもそも生徒への指導を目的に設置されていないため、「こちらから声を掛けることで、SC21本来の活動趣旨からそれたり、活動できなくなってしまうのは防ぎたい」と話す。

一方で、想定する一つのケースとして、「(所属する中学校で)廃部になったけれど、その競技をしたい」という生徒がいる学校をターゲットに、モデル的に地域移行の取り組みを進めるという青写真も描いている。その地域で受け皿となる団体を探し、細部を詰めていくというものだが、「そこでも、けがの補償制度や保護者の送迎負担、活動場所などの課題は依然としてある」とする。

地域に指導を委ねるだけでなく、生徒指導の面もある部活動に関わることを希望する教職員もいることから、現状では適正な制度が整っていない公務員の兼職兼業の制度を整備する必要もあるという。

市教委は来年度にかけ、市内のスポーツ・文化団体などと意見交換する計画を立てており、「部活動を応援してくれる市民は多く、力を貸すと言ってくれる人もいる」とし、市民の協力に期待を寄せる部分も大きいという。

市教委は、「大変、難しい課題だが、実現しないといけないこと。保護者、地域に十分な理解をお願いしたい。地域の団体に、協力を仰げるようなことがあればありがたい。地域の力が入れば、生徒の活動支援が制度として整うことにつながるかもしれない」と話している。

【公立中学校部活動の地域移行】 少子化や教職員の働き方改革を背景に、国が進める改革。今年、スポーツ庁と文化庁の両有識者会議が、休日の部活動について2023―25年度を改革集中期間と位置付け、地域に委ねる方針を提言した。将来は平日の部活動の移行も見据える。兵庫県丹波市は昨年度、中学校長会や市中体連、市PTA連合会の代表者ら6人による「市部活動検討会議」を立ち上げ、この課題を協議している。

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