トンネルの中でおいしく熟成しました―。温度が年間を通じてほぼ15度という兵庫県丹波市春日町上三井庄にある「三宝ダム」の管理トンネルで、今年3月から貯蔵・熟成させてきた市島町の酒造3社の日本酒4種類が仕上がった。「丹波 三宝ダム貯蔵酒」と名付け、同酒蔵と、丹波市内の酒販店で販売している。
地元の西山酒造場、山名酒造、鴨庄酒造の3社。昨年度に続き2度目の取り組みで、各社は口をそろえて「前年度の経験を踏まえ、より満足のいく酒に仕上がった」と喜んでいる。
西山酒造場の商品は、「小鼓 純米大吟醸 三宝ダムトンネル貯蔵酒 壺中夢源」(720ミリリットル、3000円)。山名酒造は、「Hyogo Sake 85 三宝ダム坑道内熟成」(500ミリリットル、1485円)と、「シェリー樽貯蔵 三宝ダム坑道内熟成」(同、1870円)の2種類。鴨庄酒造は、「花鳥末廣 純米酒 三宝ダム貯蔵」(720ミリリットル、1300円)。
いずれの商品も約200―800本の数量限定販売。三宝ダム貯蔵酒を3酒蔵セットで購入すると、オリジナルエコバッグがもらえる(先着順。数量限定)。
3社によると、トンネル内の15度は酒の成分分析を行う際の基準温度と同じで、日本酒の熟成に最適な温度という。
丹波県民局が神戸市兵庫区にある「湊川隧道」で行われている同様の取り組みに着目。「丹波の地酒に付加価値を持たせてPRすることで、販売促進や商業振興につなげたい」と、市島町の蔵元3社に声を掛けた。