兵庫県丹波篠山市内は11日夕、美しい夕焼けがまちを覆った。「うろこ」に「いわし」、「サバ」に「羊」と、さまざまな秋の雲がピンクやオレンジ、赤、そして、茜(あかね)に染まる。
「ふけゆく秋の夜」で始まる唱歌「旅愁」が良く似合い、どこか哀愁を感じる景色だ。
作詞した犬童球渓は、お隣の同県丹波市にあった旧制柏原中学校に音楽教師として赴任するも挫折し、一年足らずで転任。旅愁の「夢もやぶれ はるけきかなたに 心まよう」の歌詞は、この
ころの思いが反映されているという説もある。
犬童も見ていたかもしれない丹波の茜空。じっくり味わう間もなく、すぐに夜のとばりが落ちた。